芸能界におけるメンタルヘルスケアの広がりを求めます

芸能界で働く全ての方に対するメンタルヘルスケアがより充実したものとなりますように

御本『自分を思いやるレッスン』のご紹介

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Jess BaileyによるPixabayからの画像

 

メンタルヘルスに興味・関心を持っていらっしゃるかたなら、この分野に関しても様々な御本が世の中に出ていることにお気づきかと思います。わたくしもここ最近また大きな書店の心理学関係のコーナーに足を運ぶことが多くなっております。それで、認知行動療法の、自分で出来るワークブックのようなものを幾つか購入いたしました。それ以外に、最近購入した御本の中で、『自分を思いやるレッスン』(岸本早苗さん:著、大和書房、2021年)という御本がございます。こちらの御本、まだ読み始めたばかりですが、とてもよいように思われますので、今日はこちらをご紹介させていただきますね。

 

こちらの御本、副題が「マインドフル・セルフ・コンパッション入門」と書かれています。この「マインドフル・セルフ・コンパッション」というのは、「他者へ向けるような優しさと理解を自分自身にも向けることで心身の健康や困難からの回復力(レジリエンス)を向上させる、実証的根拠のある心理プログラム」( Amazonさん の 『マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック』の紹介文より )とのこと。もう既にこの概念だけでものすごーく癒されます。

 

昨日もこの『自分を思いやる……』の中に書かれている「スージング・タッチ」(「やさしくいたわるように自分の身体に触れること」、同54ページより)を少しだけ試してみたのですが、もうね、なんというか、それだけでも、これまたものすごく癒されました。たとえ、自分自身の手であったとしても、やはりあたたかな手が自分の身体に触れる、ということは、こんなにもやすらぎをもたらすものかと。

 

ただでさえ普段から過緊張で、心のやすまるときなどないようなわたくしが、ほんのつかの間でも、自分自身の手のあたたかさによって、ものすごく癒されたのです。これからこの御本にそって、エクササイズをひとつずつやってゆけば、今、わたくしが抱えている途方もないくるしみも、少しずつでも癒されていくんじゃないかな? そんな希望が持てました。

 

他にも、この御本には、自分への思いやりを示す方法が沢山掲載されています。ただでさえ自分に厳しいことの多いわたくし達人間です、少しは自分をほわーっと緩めることも必要なのですよね。いえ、「少しは」どころか、自分が納得ゆくまで、沢山そうした時間をとってあげたいものです。

 

こうして自分に愛を注ぐことは、何も怠惰な人間をつくりだすわけではありません。寧ろその反対だとこちらの御本『自分を思いやる……』にもそう書いてありました。

 

「セルフ・コンパッションを学ぶことで、他の人に対して思いやりをより持てるようになりますし、逆境から立ち直る力や、目標を達成するためのモチベーションが高まるなど、自分の内側のリソースが育ちます。」

(『自分を思いやるレッスン』、3ページより)

 

ともすれば、なんでもかんでも、自分なんてすっ飛ばして、とにかく日々のことに追われて過ごしているのが、今の日本社会の大人たちではないでしょうか? そんな大変いそがしい毎日の中で、心をすり減らしてしまい、生きる喜びが失われてゆくのは非常に勿体ないことです。セルフ・コンパッションのような概念が日本にももっともっと広がって、社会の常識のひとつになるくらいになればよろしいですよね。

 

これは、勿論、芸能界の方々にも当てはまることです。ただでさえおいそがしい芸能界の方々こそ、こうしたセルフケアの時間が何よりも必要です。というか、ご自分のケアに使う時間を必須、ということにしていただくくらいで丁度いいのではないか? と。定期的に専門家のかたのもと、ちゃんとご自身をケアしていただくことが芸能界の常識になりますように。そのためにも、まずは一般社会に居るわたくし達から意識を変えてゆく必要がありますよね。さて、では、貴女はご自分のお心の健康のために、どんなケアをなさいますか? 是非一度立ち止まって、一度、考えてみられてくださいませね。

 

そう、普段から敢えて「セルフ・コンパッション」だなんて思わなくても、普段のあらゆる一挙手一投足に、日々の言動に、自らの思考全てにおいても、ご自身への愛と思いやりが豊かに広がってゆきますように。愛を与えるということは、すなわち、強さです。幸福の基礎となる、とても大切なものです。どうかおひとりびとりがご自分への思いやりに溢れ、ひいては、おひと、そして、社会全体へとあたたかな輪が広がってゆくことを願って止みません。

 

最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。