芸能界におけるメンタルヘルスケアの広がりを求めます

芸能界で働く全ての方に対するメンタルヘルスケアがより充実したものとなりますように

ORICON NEWSさん の記事 "芸能界で相次ぐ自死、芸能人のメンタルケアと「自らを守る」当事者団体の必要性" 2020.10.16 より その4

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Serena WongによるPixabayからの画像

 

前々回の post に引き続き、今回も ORICON NEWSさん の記事 "芸能界で相次ぐ自死、芸能人のメンタルケアと「自らを守る」当事者団体の必要性"(2020.10.16)、こちらを参考にさせていただきつつ、思うところのことを書いてまいりたく存じます。

 

 

前々回の post では、 上記 ORICON NEWSさん の記事の中でも取り上げられている " 芸能人がさらされやすい、「非常に高度なストレス」" について触れました。

 

今回は、ORICON NEWSさん の記事の続きとしまして、" レディー・ガガもクスリ服用を告白するアメリカ、「病院へ行くことを敬遠してしまう」日本 " という項について見てまいりたく存じます。

 

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上記 ORICON NEWSさん の記事の中で、日本エンターテイナーライツ協会』様の佐藤大和弁護士このように述べていらっしゃいます。

「業界全体として、芸能従事者に対するメンタルケアは制度としていまだ導入されておらず、上手くケアできていない方々は一定数いらっしゃる。これまでも、芸能人のメンタルケアをしてきた事務所もあるかと思いますが、総じて不十分であると感じています。また、芸能人は種々の権利を生む出す職業でもあるにもかかわらず、芸能人の法的地位は曖昧であり、またその権利は法律で十分に守られていません。安定した職業であるとは言えないため、将来に対する強い不安も抱きやすい職業でもあります」(同記事より)

 

他にも、同記事には、

 

レディー・ガガも、インタビューで抗精神病薬を服用していることを告白。彼女の場合は、10代で受けた暴行に端を発するPTSDもあって特殊な例だが、重要なのは、メンタルの問題が重要視され、寛容に受け止められる社会や体制が整っているかどうかだ。」

 

とあります。

 

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ーーこれはもう芸能界の問題というより、まず何よりも日本文化、日本社会の問題なのではないか? とわたくしは思います。メンタル面での異常や不調を感じておられるかたがいらっしゃることを、この2021年、この令和の時代になっても、まだまだ寛容に受け止められない。それはまだまだ昭和の悪しき価値観「根性で頑張る」とか「滅私奉公」的なものの考え方がそこここに残っているからではないでしょうか? それに、外面を気にする、というか、体面を重んじる、何よりも「外面」を気にする日本的な価値観が諸悪の根源なのではないかしら? と個人的には思います。

 

あと、所謂(いわゆる)日本全体が「ムラ社会」であることも。全体の利益が何よりも優先され、それについてゆけないものは「なかったものされる」。極端に言えば、こんな日本の伝統的な「ムラ社会」的な価値観が未だに随所にはびこっていることを思えば、心の不調が原因で病院に行くことやカウンセリングを受けることなど、まだまだ特別視されているように感じるのですよね。

 

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要は他人の目を気にして、心のケアに時間もエネルギーもお金も十分に注げない。精神的な不調や障害、病気を抱えることは異常。身体の病気やケガなどについては普通に病院にゆけるのに、心のケアは未だにどこか特別視される。それも「弱い者」「脱落者」的な烙印を押されかねない。

 

そんな土壌があるところに、芸能界はものすごい競争社会です。こうした未だに昭和の価値観を引きずるような日本社会において、その中でも厳しい競争社会にいらっしゃる御方がメンタル面の不調を抱えられて、そのために休息をとろうものなら、たちまち「ダメなひと」的なモノの見方をされかねないのでは? まぁ、最近は深田恭子さんの休養もあったりして、そうではないのかもしれませんけれどね。これからはどんどん不調を感じたら、すぐお休みになられるようになっていただきたい。それが当たり前になるように。それは芸能界のみならず、わたくし達が普段働く一般のビジネス界でも言えることです。

 

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以前にも書きましたが、身体の不調をいつなんどき覚えることになるかはわからないように、メンタル面での不調だって、いつ負うことになるかなんて、誰にもわからないのです。そのリスクは皆等しくある。でも、なぜかメンタル的なことについては、まだまだ厳しく見られてしまうのですよね。

 

これまでも何度も繰り返し書いてまいりましたが、心も身体も「生もの」です。そこには何の差異も優劣もないはずなのに。身体の治療は当然のように出来るのに、どうして心の治療やケアは気軽に出来ないのでしょう? それもまだ「我慢、忍耐こそ美徳」的なふっるーい昭和の価値観が蔓延(はびこ)っているから? あぁ、ヤダヤダ。ほんと、そうした古い価値観はとっとと消え失せてほしいです。(とここで暴走するわたくし(;'∀'))

 

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とにかく、ほんと、メンタル面の不調なんていつ自らも抱えることになるかなんて、誰にもわからないのですよ。どうして心のケアはこんなにも異端視される……というか、軽んじられるのでしょうね? 出来るだけ早く適切なケアを受けたら、回復も早いはずなのに。

 

とにかく日本社会はまだまだメンタルヘルスに対する常識が遅れ過ぎています。今の時代、世界のどこに根性だけで頑張れる国や文化があるのでしょうか? ほんと、こうした日本社会の前近代的なところが早く駆逐されてほしいです。(とまたキツい物言いをいたしております……(;'∀'))

 

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わたくし達一般人でもいつなんどきメンタル面に問題を抱えることになるか誰にもわからないのに、ただでさえ競争激しい芸能界でお仕事していらっしゃるかたはますますそのリスクが高いはず。そうした環境で日々懸命にお仕事なさっておられる方々に敬意を抱きつつ、芸能界でお仕事をなさる方々のメンタルヘルスケアがもっと充実したものになりますよう、ほんと、心から願って止みません。

 

ほんと、繰り返しになりますが、心のケアは早ければ早いほどいいのですから。無用な我慢や忍耐など不要です。各事務所様にとっては大事な「所属しておられる芸能人さん」、そして、そうした方々を支えておられるスタッフさん達のお心の健康がより守られる環境になりますように。ただそう心から祈るばかりです。